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種と土と食のこと
わたしたちが二宮で畑を続けている理由を、もう少しくわしくお伝えします。知るほど不安になる話もありますが、最後に「今日からできること」もまとめました。
種:採り継ぐ人がいなければ、品種は消えていく
2018年4月、米・麦・大豆の種を都道府県が責任をもって生産・普及することを定めた「主要農作物種子法」が廃止されました。民間の力も生かして多様な種を供給するため、というのが国の説明です(農林水産省)。
2020年の種苗法改正で、登録品種は、農業者が収穫物から種を採って増やす場合にも育成者の許諾が必要になりました(農林水産省)。家庭菜園では、自分で食べるぶんには登録品種も使えますが、増やした種や苗を人にあげることは、無償でもできません(農林水産省「家庭菜園を楽しまれるみなさんへ」)。
一方、在来種や固定種など登録されていない品種は、これまでどおり自由に採り継ぎ、分け合えます。お店でよく見るF1(一代交配種)は、採った種をまいても親と同じ野菜になりにくいのに対して、固定種は親と同じ性質を受け継ぐので、種採りに向いています。
二宮農園では、在来種・固定種を中心に自分たちで種を採り、会員どうしで分担して採り継ぎ、種のシェア会で分け合っています。地域のなかに種の「予備」を持っておくことは、不作の年の備えにもなります。
米:田んぼを続けられない時代が来ている
2026年産の早期米では、宮崎のJAが農家に先払いする概算金が、コシヒカリで前年より4割以上下がり、米づくりにかかるコストの目安を下回ったと報じられています(農業協同組合新聞、2026年7月15日)。
作っても採算が合わない状態が続けば、田んぼを手放す農家が増えていきます。一度荒れた田んぼを元に戻すのは、畑以上に大変です。
二宮でも、吾妻山のふもとの小さな棚田で、仲間と米づくりを続けています(田沢の整備)。
土:一度荒れた土は、すぐには戻らない
二宮にも、担い手がいなくなり、耕されなくなった畑があります。
わたしたちは、そうした耕作放棄地を開墾し、自然菜園として畑を育ててきました。夏野菜を旺盛に育てて土を豊かにし、だいたい3年かけて軌道に乗せていきます。
時間はかかりますが、そうして育った土は、次の世代にも手渡すことができます。
食:起きてからでは、間に合わない
日本の食料自給率は、カロリーベースで37%(令和7年度)です(農林水産省)。わたしたちが口にするものの多くは、海の向こうから届いています。
猛暑や長雨で、野菜の育ち方も年ごとに大きく変わるようになりました。だからこそ、その土地の気候のなかで種を採り継ぎ、土の力を育てることが、これからの備えになると考えています。
食料の問題は、起きてから対処することができません。二宮農園は2018年、「耕作放棄地を再開墾し、野菜の自給率80%を目指す」という目標を掲げて始まりました。この80%は、開始当初に掲げた目標です。